山ごはん
山で食べればなんでもおいしい。
普段、人に手料理をふるまうことをできれば避けたいと思って生きている。
たいてい火を通しすぎてしまうので、見た目が茶色い。
味付けが、盛り付けが、、人にどう思われるか気になりすぎて、怖い。
だが山では気にしない。言い訳ができるからだ。
「こんなところで」が、味方してくれる。
「こんなところで」食べるごはんは、おいしいのだ。
あざやかな自然のなかでは、乾麺でさえ、生き生きとするから不思議だ。
じゅうじゅうと音をたてるフライパンに
「こんなところで」一体なにをやってるんだろう、と時々ハッとする。